アイドルとのつきあいかた│第11回│現場で演じ合うことでしか成立しない関係│ロマン優光
第11回
現場で演じ合うことでしか成立しない関係 (公開終了)
この連載も残すところ2回。編集者から、「最後にあなた自身のオタクとしてのスタンスについて語ってほしい」という要望があった。改めてそう言われると、とくに「自分はこうだ」と主張してみたいこともないことに気づき、若干困惑気味である。自分がアイドルオタクとしてこだわっていることなど「MIXは汚ければ汚いほどいい」ぐらいのものなのだから。汚いほうが音源のトラックに混ざりやすい、音響の一部として機能しやすい。とはいえ、自分が意識していないでも、何かについての反応に内面的なものが反映されている場合も多々あるわけで、そのような事柄をいくつか振り返ることで、オタクとしての自分のスタンスを読みとっていただきたいと思う。
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■この連載が本になります(2023年3月31日発売、定価1800円+税)
2021年1月から全12回にわたって、著者がアイドルオタクとして10年以上にわたり地下アイドル現場で体感してきたアイドルとオタクの悲喜こもごもを通して、地下アイドルとオタクの関係を考察してきた本連載が、2023年3月、『地下アイドルとのつきあいかた』とタイトルを変え、書籍として発売されます。大幅に書き下ろしを加えて、ちょっとマニアックな用語集も収録。これまでありそうでなかった当事者研究的「地下アイドルオタク」論にして新時代の「人間関係論」です。
ロマン優光(ろまん・ゆうこう)
1972年高知県生まれ。ソロパンクユニット「プンクボイ」で音楽デビューしたのち、友人であった掟ポルシェとともに、ニューウェイヴバンド「ロマンポルシェ。」を結成。ディレイ担当。WEBサイト「ブッチNEWS」でコラム「ロマン優光のさよなら、くまさん」を隔週連載中。
著書に『90年代サブカルの呪い』『SNSは権力に忠実なバカだらけ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』『日本人の99.9%はバカ』(いずれもコア新書)、『音楽家残酷物語』(ひよこ書房)。